[28]『慟哭』 (貫井 徳郎/創元推理文庫) 2007/2/20 [読書]
サスペンスとしては秀逸だが、ミステリとしては中途半端というのが、読後の感想。犯人は前半でアタリが付いてしまうので、謎解きの要素は薄い。複線が様々なところに引かれていたが、どれも露骨で分かりやすい。それでいて、いわくありげな登場人物たちが、意外にあっさりと扱われていたりと、物足りない部分が目立った。
しかしかなりリアルに描写された、新興宗教、警察組織の摩擦やマスコミとの関係は、緊張感があって十分に楽しめた。本の厚さほど、長さは感じない。
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