[47]『空中庭園』 (角田 光代/文春文庫) [読書]
[46]『問合せに悩む会社のためのFAQサイト 作成&活用ガイド』 (オウケイウエイヴ 兼元 謙任、高橋 伸之/翔泳社) [読書]
[45]『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』 (岩崎 夏海/ダイヤモンド社) [読書]
[41]『リンク格差社会 ウェブ新時代の勝ち組と負け組の条件』 (江下 雅之/マイコミ新書) [読書]
インターネットの仕組みを、ネットワークのリンク構造に注目して"格差"を論じた一冊。様々な書籍や論評からの引用を用いて分かりやすくまとめている一方で、筆者自体の考え方が今ひとつ伝わってこない印象も受ける。
[40]『プレゼンテーション・マインド「相手の聞きたいこと」を話せ!』 (大島武/マキノ出版) [読書]
社会においては、様々な場面でコミュニケーションの難しさに直面することになる。本書では、そんな場面においてどんな準備をもってどんな心持ちで臨めば良いかを分かりやすく解説している。当たり前と思われるような事も多いが、いざ自分のプレゼンテーションを振り返ると意外とそれが出来ていないことが分かる。中でも聞き手の反応を見て出す情報をコントロールしたり、話を分かりやすく構造化して話したりすることは、自分が自分で行おうとしていることを十分に理解していないと難しい。意外に話している途中で自分が伝えたいことが何なのかが分からなくなることもある。つまり、日常的に様々なことに対して自分の考えをしっかり持っていることが大事なのだろう。
面白いのは、著者がかの有名な映画監督大島渚氏のご子息であるという点。偏見かもしれないが、想像するに子供時分から様々な人と接する機会も多かっただろうし、こうした相手主体のコミュニケーションを考える環境に無かったのではないかなと思った。この事からしてそうだが、本書でも触れられているとおり人間とは「勝手なイメージ」を作り上げるものである。自分が成したい事を成し遂げたい為には、自己主張を押し通すだけでは円滑なコミュニケーションは出来ないということだろう。
[39]『日本人よ!』 (【著】イビチャ・オシム 【訳】長束恭行/新潮社) [読書]
前日本代表監督、イビチャ・オシム氏が病床に倒れる約半年前程に発売されたのが本書。オシム氏が代表監督就任会見で語った、「日本を日本化する」といった言葉の真意や、客観的に見るヨーロッパサッカーと日本サッカーの違い、今後目指すべき方向性についてが記されている。本書を読むと、尚更に氏が病の為代表監督を退かざるを得なかった状況が悔やまれるが、氏が日本サッカー界に与えた影響は、確実に浸透しつつあるとも感じられた。Jリーグの試合を見ると、相変わらず旧態依然として攻撃は外国人ストライカーだけに頼るようなチームもあるが、徐々にチーム全体が統率されて、人とボールが流動的に動くサッカーが体現されているチームも出てきていると思う。
また、本書を読んでマスコミを通してのサッカー批評をうさん臭く見るようになった(笑。やはり極力試合は自分で見て、自分の考えで全体を評価する必要があるなと。そうするこで、益々サッカーの試合そのものが面白くなり、スター選手だけが出ているような試合でなくとも、面白く見られるようになった。
単にサッカー関連本としてではなく、日本人論や文化論といった内容にもなっているので、是非一読をお勧めしたい。
[38]『祖母力 オシムが心酔した男の行動哲学』 (祖母井 秀隆/光文社) [読書]
ジェフ・ユナイテッドのGMとしてオシム招聘に成功し、現在はフランス2部リーグのグルノーブルGM(日本人初欧州クラブGM)として活躍する氏の自伝エッセイ。2007年にオシム氏が倒れた際、深夜であった為家族が誰に電話をかけても繋がらなかったところを、はるばるフランスから日本の友人を通して救急車を手配したことでも知られている。
若くして海外サッカーに触れてきただけに、日本では異端児としてみられがちだったようだが、自分の信念を貫いて様々な功績を残してきた。印象的だったのが、川淵三郎日本サッカー協会会長への批判や、前浦和レッズ監督だったホルガー・オジェック氏、現浦和レッズ監督のゲルト・エンゲルス氏への評価。すべて日本サッカー界(Jリーグ)に功績を残してきた人物であるが、祖母井氏から見れば、一緒に仕事をしたくない(できない)人物たちであったようだ。別の本では、これらの人物たちがまるで英雄のように扱われて書かれている場合もあるし、実際に残してきた功績が素晴らしいものであることは違いない。だから、祖母井氏のやり方が正しいとも言い切れないのだろう。
しかし一つだけ事実なのは、祖母井氏が語り実際見せてきてくれたサッカーは、とても魅力的で、勝敗を超越した楽しさがある。それを、今後も追っていきたいなと思う。
[37]『東京奇譚集』 (村上 春樹/新潮社) [読書]
本書で登場する物語も、およそ現実の事か非現実のことなのか分からないが、少なくとも描写されている人物の想いや心の動きは、確実に実在するであろうもので、とても心に響くものとなっている。
[36]『世界一やさしい 問題解決の授業』 (渡辺 健介/ダイヤモンド社) [読書]
問題解決の為の思考は、普段何気なく行っていること。しかしいざ局面局面にたたされると、焦りやセクショナリズムの主張などからなかなか上手く行かないもの。そんな時に、本書で触れられているような「分解の木」のような道筋立てた考え方が出来れば、合理的な解決方法を導けるのだろう。
恐らくこれが一番生かされるのは、会議の場ではないかと思うが・・・。
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
- 作者: 渡辺 健介
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 単行本
[35]『弓と矢の国 -ハーマンモデルに基づいた行動分析-』 (高梨 智弘/シュプリンガー・フェアラーク東京) [読書]
人間って、その正確や行動分類から大きくは4つぐらいに分かれるもので、身の回りにいる人についても「こういうタイプだよね」と、例えば血液型などでだいたい分類することが出来る。
本書は、米国GE社のネッド・ハーマン氏が開発した、脳の優勢度から人間を分類し行動分析をする手法を分かりやすく解説したものである。元々の目的が創造的な組織の構築を目指すものであったことから、日常の仕事に非常に生かせるものである。多かれ少なかれ、企業に勤めた人であれば本書のような体験をしたことがあるだろう。企業が大きくなれば、なおさらである。本来の業務の目的とは別に、人間関係や利害関係、私利私欲といったものが絡んでくるから、どうしても違ったタイプの人間や抵抗勢力とは交わりづらい。これがスポーツであれば、「勝てない」というはっきりとした現象で目に見えてくるが、企業はそれでも案外廻ってしまうものである。だからこそ、なかなか縦割り組織は消えず、有機的な組織は構築されない。最近の流行は、横断組織のプロジェクトを組んで業務を進めていくというやり方があるが、これも”ただ集まる”という結果に終わっているケースが多いのでは無いか。
大事なのは、本来の目的に対してベストな方法を導きだすことである。この為に自分の能力を最大限に生かし、違った特性を持った人間と有機的に融合しなければならない。自分もそれは常に意識しているものの、気がつくと人を選んだりしているものである。本書が常に傍らにあり、みんながそれを意識すれば、きっと強い組織が出来るに違いない。