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[27]『国家の品格』 (藤原 正彦/新潮社) 2007/2/5 [読書]

 「論理だけでは、世の中は破綻する。」という意見は、仕事上、いかに物事を論理的に考えるかを常に意識していた自分にとっては、なかなかショッキングな意見だった。だが、確かによくよく考えれば分かる事でもある。この世の中、本当に大事にしなければいけないことは、論理的には説明できない。だからこそ、宗教や風習のような形で、それらの教えは、非論理的に世の中に存在する。
本書はそれを明らかにするところから初め、本当に大事なところを、「武士道精神」や「祖国愛」に見出し、日本人としての品格を再獲得することを奨励する。

 思想的な善し悪しはさておき、言いたいことは良く理解出来るし、共感する部分も多々ある。私も1ヶ月ほどイギリスに住んでいた経験の中で、筆者と同じような体験を何度かしたし、同じような想いを抱くことがあった。現代社会におけるモラルは、最早急速に崩壊へ向かっているし、それに対しては最早対処療法的な処置では、歯止めが利かないことは明らかだ。その点において、本書は日本人の特性を良く捉えた「そもそも論」を的確に付いているとは思う。

 さて、阿部首相が提唱する「美しい国」で、果たして世界に誇れる日本の国家像は、再構築されるのだろうか。施政方針演説を聞く限りでは、あまり具体的な国家像は見えてこない。それに比べれば、本書で提唱される内容の方が、日本人としては具体的なイメージを持てると思う。

国家の品格

国家の品格

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 新書


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