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[23]『バカの壁』 (養老 孟司/新潮新書) 2006/2/26 [読書]

 養老氏の考えを、非常に分かりやすく学べる一冊だと思う。常々考えていたことでも、改めて言われて目からウロコが落ちたことや、ちょっと極端な発想すぎて賛同できない点など、色々思考のきっかけとなる一冊だったと思う。
 普段意識の中にある「壁」は、もちろん目に見えるものではなく、その存在は自身では気が付かないことが多い。壁の存在を気付く為には、自分の思考について常に疑問を持つことが必要ではないかと思う。養老氏が本書の中で、「若者には、個性を磨けと教えるのではなく、人の気持ちを分かるようになれ」と語っているが、まさしくそれは相手の立場や状況を思いやることで、己を振り返れという意味だろうと思う。己を振り返ることで、人間はまた意識的に次のステップに成長することが出来る。本来、人間とは日々何かしら変化があるものだが、それを意識的に行うか、無意識に行うかで、行動は大きく変わってくる。

 本書のテーマは、どこか直前に読んだ『アフター・ダーク』で挙げられている内容に近い気がする。登場人物が、壁を乗り越えていく様はまさにそう。「ゆっくり歩け、たくさん水を飲め」というモットーは、「性急に生きるな。ゆっくり歩いて、周りを見渡せ。たくさん水を飲んで、自分の心を落ち着けろ。」と聞こえる。幅の狭い価値観に囚われて、殺伐と生き急ぐ我々に向けた、問いかけのように聞こえる。

バカの壁

バカの壁

  • 作者: 養老 孟司
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/04/10
  • メディア: 新書


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