[35]『弓と矢の国 -ハーマンモデルに基づいた行動分析-』 (高梨 智弘/シュプリンガー・フェアラーク東京) [読書]
人間って、その正確や行動分類から大きくは4つぐらいに分かれるもので、身の回りにいる人についても「こういうタイプだよね」と、例えば血液型などでだいたい分類することが出来る。
本書は、米国GE社のネッド・ハーマン氏が開発した、脳の優勢度から人間を分類し行動分析をする手法を分かりやすく解説したものである。元々の目的が創造的な組織の構築を目指すものであったことから、日常の仕事に非常に生かせるものである。多かれ少なかれ、企業に勤めた人であれば本書のような体験をしたことがあるだろう。企業が大きくなれば、なおさらである。本来の業務の目的とは別に、人間関係や利害関係、私利私欲といったものが絡んでくるから、どうしても違ったタイプの人間や抵抗勢力とは交わりづらい。これがスポーツであれば、「勝てない」というはっきりとした現象で目に見えてくるが、企業はそれでも案外廻ってしまうものである。だからこそ、なかなか縦割り組織は消えず、有機的な組織は構築されない。最近の流行は、横断組織のプロジェクトを組んで業務を進めていくというやり方があるが、これも”ただ集まる”という結果に終わっているケースが多いのでは無いか。
大事なのは、本来の目的に対してベストな方法を導きだすことである。この為に自分の能力を最大限に生かし、違った特性を持った人間と有機的に融合しなければならない。自分もそれは常に意識しているものの、気がつくと人を選んだりしているものである。本書が常に傍らにあり、みんながそれを意識すれば、きっと強い組織が出来るに違いない。
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