[39]『日本人よ!』 (【著】イビチャ・オシム 【訳】長束恭行/新潮社) [読書]
前日本代表監督、イビチャ・オシム氏が病床に倒れる約半年前程に発売されたのが本書。オシム氏が代表監督就任会見で語った、「日本を日本化する」といった言葉の真意や、客観的に見るヨーロッパサッカーと日本サッカーの違い、今後目指すべき方向性についてが記されている。本書を読むと、尚更に氏が病の為代表監督を退かざるを得なかった状況が悔やまれるが、氏が日本サッカー界に与えた影響は、確実に浸透しつつあるとも感じられた。Jリーグの試合を見ると、相変わらず旧態依然として攻撃は外国人ストライカーだけに頼るようなチームもあるが、徐々にチーム全体が統率されて、人とボールが流動的に動くサッカーが体現されているチームも出てきていると思う。
また、本書を読んでマスコミを通してのサッカー批評をうさん臭く見るようになった(笑。やはり極力試合は自分で見て、自分の考えで全体を評価する必要があるなと。そうするこで、益々サッカーの試合そのものが面白くなり、スター選手だけが出ているような試合でなくとも、面白く見られるようになった。
単にサッカー関連本としてではなく、日本人論や文化論といった内容にもなっているので、是非一読をお勧めしたい。
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